中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポート

建築士による中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポートです。

中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポート :奈良県奈良市 Part2-2

アネストのスタッフの徳永です。中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)(現場:奈良県奈良市)の現場レポートの続編です。

2階には他に2部屋が続きになっている和室がありましたので、そちらの部屋で傾きを確認した後に丹波さんが、

「ここからもしかすると小屋裏が見えるかもしれません」

と収納の一つに目を付けると、脚立を使って器用に収納部分へ昇り、上の板を外して上半身を入れて小屋裏を確認されていました。

「建築士さんも大変ですねぇ」

お客様からそう言われ、ははっと笑いながら丹波さん。

「ここから見える範囲で見ますとですね。RC造とうかがっていました構造ですが、S造(重量鉄骨造)ですね。それから、外から見ると屋根は平たい陸屋根に見えていましたが、屋根勾配があります」

「そうでしたか!水はけが心配だったんですよ」

「他に、断熱材も見える範囲ではきちんと施工されています。鉄骨部分の錆止めが少し落ちているところもありますが、いますぐ補修が必要というわけではありませんね」

小屋裏を懐中電灯で照らしながらぐるりと見回して、丹波さんがお客様へお伝えしていきます。

「後はそうですねぇ、雨漏り跡に関してはさっきの漏ったところには跡がありますが、特に屋根全体に雨漏り跡があるわけでは無いようですので、葺き替えされた後は漏っていないと思われます」

中古物件の場合、資料が揃わないことが多く、今回もほとんど資料が無い状態での調査でしたが、基本的には現場での調査が主体になります。 こうして内部の構造が少しでも見える部分があれば、1つの情報になりますよね。

確認し終わった丹波さんが、再度、脚立を使って器用に降りてこられ、調査を再開しました。

「素人目にはわからないもんですね」

「仲々難しいと思いますよ。普段、あんなところはお客様は昇ったりされないでしょうし。ああいうところがあると知らない方もいらっしゃいますが、何かあった時はここから点検したりするので、覚えておかれると良いですよ」

他には、その和室の敷居の一部に足を乗せるとキシキシと音鳴りがしていました。

「普通は敷居と下地の間に木片か何かを噛ませてあると思うんですが、その噛ませものが弱くなっている可能性がありますね」

言いながら丹波さんはその敷居の建具を動かそうとしていましたが、なかなかスッと動きません。 その噛ませものの消耗の為に敷居自体が一部水平になっていないので、建具が詰まっている様子です。

「噛ませものってどんなモノですか?」

お客様と私の疑問に、丹波さんは、

「畳をちょっと上げて見てみましょうか」

と、またもやてきぱきと、件の敷居の傍の畳を一枚上げて下さいました。 厚くて大きくて重い、昔ながらの畳です。 傍にベランダがありますが畳の上にカーペットが敷いてあったせいか、余り日焼けしていません。 お客様も手伝って下さり畳を上げますと、確かに敷居の下には確かに10センチほどの長さの木片がところどころに挟んでありました。

「畳も下地も腐ったりしていませんし問題無いですが、さっきお伝えした木片(噛ませもの)は結構小さいのが挟んでありますねぇ」

お客様にも見て頂き、その木片が消耗してしまっているのを確認します。

「この消耗してしまっているのを、他のと同じようにきちんとした大きさのものに取り替えたらいいんですか?」

と仰るお客様に丹波さんは、

「木片を入れるより、どうせなら敷居の下にビシーっと木を這わせると良いと思いますよ。これくらい小さな木片を入れ替えるだけだと、またそのうち別のところが消耗してしまいますから」

なるほど、木片じゃなくても大丈夫なんですね。 お客様と一緒にうなずきつつ、次はその部屋にあるベランダの調査となりました。

こちらのバルコニーは先ほどの北側の洋室のベランダより広く、大きな洗濯物を干せそうな広さです。

「壁にクラックがあって、結構心配なんですが・・・」

と仰るお客様の指差す方を見ますと、確かに壁がひび割?れています。 このクラックが構造的なものなのかそれとも表面的なものなのかの判断は、仲々難しいですよね。

「これは表面的なクラックと判断しますので、例えば専門家に薬を注入してもらって接着する方法で埋めてもらえば問題無いでしょう」

「そうなんですか」 お客様は安心された様子でした。 私はといえば、軒下にぶら下がる数個の小さな蜂の巣跡に釘付けでした・・・。(跡だとわかっていても怖いです)

ベランダにも特に大きな問題は無く、室内に戻りましてチェックをしていきますと、じゅらく塗りの壁のところどころにヒビが見受けられました。

「こういうヒビも気になっているんですが」

と仰るお客様。

「これも構造的なものではなくて、表面的なものです。築年数から考えますと、当然の割れですね。例えばあちらの木部に沿って出来ているヒビですが、これは築年数に応じて木が痩せて行くことで出来てしまう隙間ですので、隙間を埋めてあげれば大丈夫です」

築年数が経てば木が痩せる、と聞くと何だか木が使用されている住宅というのはやはり生き物みたいなものなのだなあと一人で感動しておりました。

「こちらは木部が無いところでのひび割れですが、こちらも表面的なものですね」

丹波さんの説明によると、先ほどの小屋裏から見る限り造りとしては鉄骨でブロックの上にボードを貼って壁をじゅらくで塗っていると思われるのですが、その塗りが雑だったので壁が割れてきているのではないかということでした。 ボードにじゅらくを塗るというのは、難しい技術であることも一因の様です。 こちらも塗り直しで大丈夫でしょう、とのことでした。

2階の建具もやはり築年数に応じて劣化していたので、それぞれ調整が必要であることをお伝えして、次は1階の調査です。

///次回へ続きます///

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