内覧会立会い・同行(一戸建て)の現場レポート

大阪府大阪市での一級建築士による一戸建ての内覧会立会い・同行の現場レポートです。

内覧会立会い(一戸建て)の現場レポート :大阪府大阪市 Part4-3

アネストのスタッフの徳永です。内覧会立会い・同行(一戸建て)(現場:大阪府大阪市)の現場レポートの続編です。

1階には和室と浴室・洗面室とトイレがありましたので、和室から確認していきます。但し、畳がまだ入っていなかったことと電気が通ってませんでしたので、懐中電灯で照らしながらの調査となりました。

「和室で障子の木枠に多いのが、ささくれです」

丁寧に木枠に触れてささくれを確かめ、問題無しと岩崎さん。襖や障子、窓についても動作確認をし、懐中電灯の明かりで丁寧に壁などを見て回ります。また、ここでも奥様に引き戸を引いて頂き、重さを確かめて頂きました。

トイレで水の流れや漏れ、窓の動作チェックをして音鳴りがあるのを指摘した後に洗面・浴室へ。洗面台ではやはり戸当たりが無かったので、チェックが入りました。(下の写真にある、ブルーの養生テープの部分です)



また、浴室が完成前でしたので出来上がってから浴室点検口と水漏れのチェックをして頂く様にお客様へお伝えしました。

「この浴室点検口からも構造の一部が見えるんですが、通常は設備関係のコード類が束ねてあるのが正解です。今はまだきちんと施工される前ですけど、ご覧になってみて下さい。完成後には業者さんに開けてもらって見せてもらうと良いですよ」

お客様ご夫婦にもご覧頂いた後、岩崎さんはその時点でチェック出来るところを確認していました。

「例えばこの浴室扉の前にある『水返し』ですが、こうやってきちんと立ち上がっているのが正しいです。洗面所に浴室の水が流れていかないように付けられているものですからね」



扉の枠も直に触れて、釘などが飛び出ていないかをチェックした後に玄関のチェックとなりました。玄関のドアはまだ段ボールなどで養生されてありましたので、その時点で出来るところの確認となりました。玄関ドアを閉めて鍵の確認をしたところドアガードの高さが合っておらず、留め具部分の調整が必要なことがわかりました。



その後は1階~3階までの階段のチェックです。各階段には昇り口と降り口にそれぞれ小さな窓が付いていましたが、1つの窓以外は全て施錠して窓のがたつきを確認すると遊びが大きく、調整して頂く事になりました。

「この遊びは仕様だと思いますが」

と言う施工業者さんでしたが、岩崎さんは、

「それにしてもちょっと遊びが大きすぎると思います。例えばこの窓は同じタイプの窓で唯一許容範囲の窓なんですけど、ほら」

他の同じタイプの小窓と比較して格段にがたつきが少なかったので、業者さんも納得されたようです。

「この窓だとこの金具でがたつきを調整出来ると思いますので、お願いしますね」

「わかりました」

室内が終了し、最後に外回りです。外構がまだ完成していませんでしたので出来ている時点での確認をしたところ、敷地境界が一部曖昧でしたので外構の仕上げの際にポイントを明確に入れて頂くように業者さんへお伝えしました。そのほか外観から見てどこかにクラックが無いか、屋根部分についても周囲から見える範囲でチェックします。

また、汚水・雨水マスについては、

「このマスの穴から蚊が上がってくることがありますので、そういった場合は網を張って対策されると良いですよ」

と、岩崎さんからアドバイスがありました。玄関そばのマスなので、少し気になりますよね。

その後、玄関傍の雨どいが外れていたのをチェック項目に上げて、再度お客様と業者さん、営業担当者さんと岩崎さんでリビングに集合し調査終了のまとめに入りました。

「今回は未済の部分があり最終的な洗いもまだでしたが、現時点で確認したところ傷も少なく丁寧に作っておられると思われました。現在未済の浴室と和室、トイレの換気扇の設置、それから外構部分に関してはきっちりと仕上げて頂き、最終的な掃除をしてもらって、新たな傷や汚れが無いかどうかを確認してから引渡しを受けて下さい」

その後、岩崎さんからお客様の前で、施工業者さんには未済部分をきっちりと仕上げて頂けるように確認して頂きました。また、戸当たりが必要な部分についていなかった箇所について、業者さんへ岩崎さんから売主側の負担で戸当たりを付けて頂ける様に伝えたところ、「売主負担では戸当たりは付けません」との回答でした。

「戸当たりは必要なものですし安いものですが、付けて頂けませんか?」

と再度、岩崎さんが言うも、施工業者さんはお客様負担でないと付けないとの返答。必要箇所に無い戸当たりを付けるのを断られたのは私も初めての体験でしたが、今回はお客様から売主さんへ交渉して頂くこととなりました。

その後、調査は終了となりました。調査時間は、平均的な3時間程度でした。

今回の内覧会立会いの調査で感じたことは、内覧会のタイミングについてです。岩崎さんもお客様や業者さんへ伝えていましたが、今回の物件の場合、浴室や和室、外構部分に残工事があったりと少し内覧会時期が早かった様です。

一戸建ての場合、売主さんが内覧会を開かない場合もあったり(それもどうかと思いますが)、内覧会を引渡しの直前に行うことも多くありますが、やはり内覧会での指摘箇所を補修する工事期間も考えますと、内覧会を行うタイミングとしては物件が完成した後から引渡しの10日~2週間前頃の間に内覧会を行うのが理想です。

その時期に内覧会をして業者さんに指摘事項を補修して頂き、再内覧会の際に指摘事項がきちんと直っているかどうかを確認してから引渡しを受ける、という流れが当然だと思います。あってはならないことですが、引渡しを受けた後に補修工事を依頼した場合、売主さん側の対応が良くない場合などもやはりあります。

引渡しを売主さん側に焦らされる場合もあると思いますが、大金を支払って購入するマイホームですので、きちんとした物件を引き渡して頂きたいものですよね。

今回もとても勉強になりました。同行させて頂きましたお客様、岩崎さん、本当に有難うございました。お疲れ様でした!


※余談ですが、今回の物件の洋室でとてもかわいらしい壁クロスのお部屋がありましたので奥様にお尋ねすると「子供の部屋なんですよ。クロスを選ばせてもらえたんです」とのこと。クラシカルでかわいいお部屋でした。クロスでやはり部屋の印象も色々と変わるものですね。

※当日は少し暖かい気候でしたが、冬季の調査でも半そでで調査して下さった岩崎さんは、この日もやはり半そでで調査に臨んで下さいました(笑)。

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