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中古マンション建物調査の現場レポート


大阪府の建築士による中古マンションの建物調査の現場レポートの現場レポートです


(5)

中古マンション建物調査の現場レポート :大阪 Part2-2


アネストのスタッフの徳永です。中古マンション建物調査の現場レポートの続編です。

次に長期修繕計画についてです。

「3年後に大規模修繕が予定されていますが、今後特に修繕積立金の値上げの予定はないんですよね?値上げをするには住戸の4分の3の賛成が無ければ無理なんですがね」

蔦村さんが傍にいる仲介業者さんにも確認しながら、お客様へ伝えます。

「ただ、ここの積立金はいま現在の徴収額だと公庫の基準を基にすると、若干安いんですよ」

公庫の基準には築年数に応じた徴収額の変動があり、それを基にすると当該マンションの積立金徴収額は確かに公庫の基準よりは少し安かったです。

「もしかしたら積立金に関しては、今度の大規模修繕の際に足りなければ臨時徴収や直前の値上げがあるかもしれません」

また蔦村さんからは、積立金というものは不意の災害や処置に使用するため、全部使用せずに2・3割は残しておく方が良いものだというお話もありました。

「電気幹線やエレベーターの修繕については、30年後を予定している様ですね。これらにはかなりの費用がかかるものです。エレベーターの容量にもよりますが、1台のエレベーターで40戸〜多くなると100戸辺りまでカバー出来るものなんです。それを各住戸で費用を受け持っていくことになるので、小規模マンションの場合はかなり一戸辺りの負担額が大きくなることが予想されます。もしかしたらこの30年後の修繕の前にも、積立金の値上げがあるかもしれませんね」

ただ、修繕計画自体には無茶な計画が立てられているわけではなく、ほぼ問題は無いとの結果でした。

次に収支決算関係の書類です。

「管理人さんも仰っておられましたし、まあ帳簿上では滞納などは無いということになっていますね。こちらも特に問題は無いでしょう」

管理関係については、概ね問題なし!という結果になりました。
スムーズに管理関係のチェックが終了し、お客様も安心されたご様子です。

「では次に、竣工図書を見ていきます」

今回の竣工図書は閉じるとA3サイズで、厚みは約5cm幅のものでした。 マンション建設の基になる書類なので販売用のパンフレットとは全然違うのは当然なのですが、相変わらずの分厚さと内容の複雑さに思わず目を逸らしてしまう私・・・。

それを蔦村さんはサクサクと必要なポイントをチェックしていき、マンションの性能面や構造などを把握していきます。 すごいです・・・。

例えば、性能評価の取得についてや耐震基準、防犯面についてや遮音性・断熱性、設備関係や給排水、間取りの使い方などを確認し、それぞれについてお客様へ分かり易くお伝えしていきます。

「防犯カメラはエレベーターにも共用部にも一切ないですねぇ。確かに管理人室からエレベーターまでは見通しも良いし、エントランスもオートロックがありますけど、管理人さんが常駐ではないので余り意味は無いかもしれませんね」

「そういえばセキュリティに関しては個別にセキュリティ会社への依頼が必要だと言われました」 とお客様。

「このお部屋の遮音性についてですが、床スラブが18cmの厚みで直張りになっています。遮音等級からも考えるとこの当時のマンションとしてはまあ標準的なんですが、上階からの音や下階へ音が響いたりするかもしれません。私なんかもマンション住まいなんですがリビングの床がフローリングで、そこで組み立て家具なんかをコンコンやってたら響いちゃったみたいで、下の階のヒトが尋ねてきたことがあります」

次に、壁の厚みについて蔦村さんが竣工図書を確認し、お客様へ伝えます。

「お隣さんとの壁の厚みは15cmで、外壁は17cmの厚みですね。こちらも標準的と言えます。最近のマンションならもう少し厚みをとっていますが、横の壁は叩かない限りは音は余り響かないものです」

壁のクロスはコンクリートにクロスを直張りしてあり、壁には断熱材が入っていることになっているとのこと。
断熱材の種類や施工方法などについても、竣工図書からわかる範囲でお伝えします。

「断熱材の折り返しがないので、部屋の隅から熱が逃げ易くなっていますね。つまり、その部分については結露し易いということになりますので、その場合はマメにふき取るなどして対策して下さいね」

断熱材の折り返しが無いとされるお部屋の該当部分に行って、「ここですよ」と蔦村さんが説明して下さるのをお客様と一緒に確認しました。

「サッシは一応防音サッシを使っている様ですが、断熱効果は期待出来ませんね。重量もあるので、開け閉めされる際には指を挟まないように気をつけて下さいね」

他には間取の使い方や設備などについて、様々な情報を竣工図書から読み取って、蔦村さんはお客様へ分かりやすく伝えて下さいました。

「台所前とリビング入り口前の梁は大事なものですから、全面リフォームなんかをされる時には抜けませんからね。気をつけてくださいね」

またこのマンションには受水槽が無く、小規模ということもあり直結給水で各戸に給水しており、無駄に受水槽を設置して太い水道管を設置していたりしていない為、経済的だとか。

設備関係も標準的で問題はなし。
全体としては、床の遮音性や住戸内の断熱性についてやや難有りとはなりますが、当時の建築物としては標準的なものであるという結果になりました。

「やっぱり少し遮音性については気になるんですよね」

とお客様が仰いますと、蔦村さんが

「そうですね。樹脂製の『インナーサッシ』と呼ばれる、サッシの内側につけるサッシがあるんですが、それなら防音と断熱効果が期待できますよ」

とアドバイス。 こういったアドバイスも、素人の私からするととてもありがたいです。

書類のチェックは終了し、次は実際に室内調査の開始です。

「リフォームはまだなんですよねぇ?」

と仲介業者さんに尋ねると、

「そうなんですよ。社宅としてご夫婦で使用されていたんですが、綺麗に使っておられますよね。壁紙も張り替えていませんが綺麗です」

とのこと。 はい、確かに綺麗です。リフォーム済みだと思っていたくらいです。

蔦村さんは和室から調査を開始しました。

「ちょっと1枚畳を上げてみましょうかね」

慣れた手つきで軽く畳を上げ、お客様に下地などを見て頂きます。

「これは発泡スチロールに畳をはっているマンション畳と言われるものです。マンションの畳は最近これが多いんですが、これなら定期的に畳上げなんかをする必要は無いです。手入れもラクです」

その他には建具やサッシ・網戸の動作確認や、各部屋の床・壁の傾きについて水平器でチェックを行います。

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