建築士による中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポートです。
中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポート :大阪府門真市 Part3-1
初めまして。アネストのスタッフ、鈴木と申します。中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場(大阪府門真市)に同行してきました。今回、その模様をレポートいたします。何しろ初の現場レポートなので、何からどのようにお伝えして良いものやら・・・
ということで、現場のお客様方に混じり、ド素人のような(実際にド素人ですが)質問ばかりしてしまいました。そんな私の初レポートですが、最後までどうかお付き合い下さい。
さて、本日の現場担当は田中義之さん(一級建築士)です。田中さんのご家族は人が羨むほど仲が良く、特に一番下のお嬢さんは、ご夫婦どこへ行くにもついて来られるのだとか。言葉少なめですが、はにかんだ笑顔に親しみを感じられる、マイホーム・パパの田中さんです。それでは、よろしくお願いします。
梅雨真っ盛り、朝から雨がシトシト降り続いています。田中さんと私は、調査開始時間の15分前に現場へ無事に到着しました。物件は築15年、1階が鉄筋コンクリート、2階・3階が木造。不動産会社が売主で、リフォーム済みの中古住宅です。
お客様はオプションの「床下・屋根裏の詳細調査」もご希望です。このオプションを実施しない場合と実施する場合とでは、調査範囲が大きく異なり、また、調査範囲の違いは精度の違いにもなるのです。このところ、このオプションを利用されるお客様が結構おられます。何といっても、一生に一度と言えるほどの大きな買い物。お客様の並々ならぬ関心の高さを伺えますね。
ところがこの物件、床下・屋根裏への進入口がない可能性がある、との情報を頂いていました。通常であれば、進入口が本当にあるかどうかを仲介業者の方などにご確認頂き、ないということが分かればご依頼を頂くことはないのです。しかし今回は、申し込み頂いてから調査日との間に余裕がありませんでした。
そのためお客様に了承を得た上で、「床下・屋根裏の詳細調査」もご一緒にお申し込みを頂いています。その調査のために、担当者が前もって準備をしておく必要があるためです。もちろん、お申し込みを頂いていても、床下・屋根裏に侵入できない場合、この調査は実施できません(この場合の料金は不要です)。侵入口が見つかるといいのですが。
ひとまず、先に来て待っておられた仲介業者の方と名刺を交換。簡単にご挨拶です。
「調査にはどのくらいかかるものですか?」
「2時間はかかりますので、よろしくお願いします」と田中さん。
様々な条件によっては、2時間どころか3時間以上かかることも有り得ますので、時間については今のところ何とも明言できないですね。申し訳ないですが、業者の方をかなりお待たせするかも知れません。
お客様はまだ見えませんが、田中さんは家の裏手に周り込み、外壁を見上げています。雨が治まりつつあるうちに、外周りから調査を始めようということのようですね。私もその視線の先を追い、目を凝らすのですが、何を見ているのか検討も付きません。
そうこうしているうち、お客様が到着されました。女性ばかり3名、物件を購入されるご本人と、そのご家族でしょう。メモ帳を取り出し、熱心に耳を傾けていらっしゃいます。私も負けじとメモを取りますが、ジワジワと流れ落ちる汗をハンカチで拭うのに必死です。
「まずこの境界線ですね」早速、田中さんが切り出します。室外機のようなものが境界線からはみ出ているのが分かります。この室外機のようなものは「オール電化」エコキュートのヒートポンプ機です。玄関脇にガスメーターも発見、最初はガス仕様だったのが、途中からオール電化仕様に変更していることが分かりました。越境している先の隣地は小さな公園で、青いフェンスで囲まれています。
「境界線からヒートポンプの機械がはみ出ていますが、はみ出している先の土地(公園)は市の持ち物ですね。もし市側からこれを撤去しろと言われたら撤去しないといけないんです」と田中さん。
「玄関脇にある車庫へ、この機械を持ってくるわけにはいかないのですか」とお客様。
「今の段階で車庫の中へ移動できるかどうかは不明です。これは無くてもオール電化の使用は可能なんですよ。しかしやはり、あった方が良いですね」
このヒートポンプ機は、電気で湯を沸かす際に、エアコンや冷蔵庫と同じ仕組みで熱を移動させるものだということでした。
「それと、オール電化になっているのにガスメーターが設置されたままになっているのは、外して頂いてもいいでしょう」
次に建物の中へ入ります。私達はスリッパに履き替えますが、田中さんは靴下のまま上がります。何か違和感のある音や感触などがあれば、その方が分かるということです。
2階に上がるとリビングを兼ねたキッチン、3階は個室になっています。まず2階のリビングキッチンで、田中さんは資料を広げました。どのような手順で行うか簡単に説明し、雨戸と窓を開けます。締め切ってあったため中は蒸し暑く、その上なかなか雨戸が開きません。汗をかきながら全員で格闘し、ようやく雨戸が開きました。
3階の洋室へ行きましょう。ここはフローリングに見える、ビニール系のシートで仕上げていますね。田中さんは部屋全体の床を足で踏み、水平器を四方八方に置いて、部屋の傾きを計測します。部屋の一部が、部分的に一方に傾いている様子。しかしまだここで結論は出さず、チェックだけするようです。
縦に長い収納扉が3枚連続で設置されていますが、そのうちの1枚は不安定で、少々がたついているのを、両方の洋室で確認しました。
「悪いところは悪いと言った方がいいんです」と田中さん。
それもそうですね。直してもらえるものは、入居前にしっかり直してもらいましょう。中古住宅ですが、今回は不動産会社が売主なので、交渉次第では補修してもらうことが可能です。
さて、エアコンの配管を取り付けることになる穴「スリーブ」を覗きます。ここで、断熱材が入っているかどうかを確認することができます。田中さんが取り出したのは懐中電灯。出る光が通常のものより白いため、思わず私が質問。
「ひょっとして、LEDライトじゃないですか」
「そう。通常のものより明るいんですよ」
実際、LEDライトは電球よりも発光効率が良いようです。白熱電球に比べても、電池が長持ちするということも聞きます。
大阪府門真市の中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)はこちら
ということで、現場のお客様方に混じり、ド素人のような(実際にド素人ですが)質問ばかりしてしまいました。そんな私の初レポートですが、最後までどうかお付き合い下さい。
さて、本日の現場担当は田中義之さん(一級建築士)です。田中さんのご家族は人が羨むほど仲が良く、特に一番下のお嬢さんは、ご夫婦どこへ行くにもついて来られるのだとか。言葉少なめですが、はにかんだ笑顔に親しみを感じられる、マイホーム・パパの田中さんです。それでは、よろしくお願いします。
梅雨真っ盛り、朝から雨がシトシト降り続いています。田中さんと私は、調査開始時間の15分前に現場へ無事に到着しました。物件は築15年、1階が鉄筋コンクリート、2階・3階が木造。不動産会社が売主で、リフォーム済みの中古住宅です。
お客様はオプションの「床下・屋根裏の詳細調査」もご希望です。このオプションを実施しない場合と実施する場合とでは、調査範囲が大きく異なり、また、調査範囲の違いは精度の違いにもなるのです。このところ、このオプションを利用されるお客様が結構おられます。何といっても、一生に一度と言えるほどの大きな買い物。お客様の並々ならぬ関心の高さを伺えますね。
ところがこの物件、床下・屋根裏への進入口がない可能性がある、との情報を頂いていました。通常であれば、進入口が本当にあるかどうかを仲介業者の方などにご確認頂き、ないということが分かればご依頼を頂くことはないのです。しかし今回は、申し込み頂いてから調査日との間に余裕がありませんでした。
そのためお客様に了承を得た上で、「床下・屋根裏の詳細調査」もご一緒にお申し込みを頂いています。その調査のために、担当者が前もって準備をしておく必要があるためです。もちろん、お申し込みを頂いていても、床下・屋根裏に侵入できない場合、この調査は実施できません(この場合の料金は不要です)。侵入口が見つかるといいのですが。
ひとまず、先に来て待っておられた仲介業者の方と名刺を交換。簡単にご挨拶です。
「調査にはどのくらいかかるものですか?」
「2時間はかかりますので、よろしくお願いします」と田中さん。
様々な条件によっては、2時間どころか3時間以上かかることも有り得ますので、時間については今のところ何とも明言できないですね。申し訳ないですが、業者の方をかなりお待たせするかも知れません。
お客様はまだ見えませんが、田中さんは家の裏手に周り込み、外壁を見上げています。雨が治まりつつあるうちに、外周りから調査を始めようということのようですね。私もその視線の先を追い、目を凝らすのですが、何を見ているのか検討も付きません。
そうこうしているうち、お客様が到着されました。女性ばかり3名、物件を購入されるご本人と、そのご家族でしょう。メモ帳を取り出し、熱心に耳を傾けていらっしゃいます。私も負けじとメモを取りますが、ジワジワと流れ落ちる汗をハンカチで拭うのに必死です。
「まずこの境界線ですね」早速、田中さんが切り出します。室外機のようなものが境界線からはみ出ているのが分かります。この室外機のようなものは「オール電化」エコキュートのヒートポンプ機です。玄関脇にガスメーターも発見、最初はガス仕様だったのが、途中からオール電化仕様に変更していることが分かりました。越境している先の隣地は小さな公園で、青いフェンスで囲まれています。
「境界線からヒートポンプの機械がはみ出ていますが、はみ出している先の土地(公園)は市の持ち物ですね。もし市側からこれを撤去しろと言われたら撤去しないといけないんです」と田中さん。
「玄関脇にある車庫へ、この機械を持ってくるわけにはいかないのですか」とお客様。
「今の段階で車庫の中へ移動できるかどうかは不明です。これは無くてもオール電化の使用は可能なんですよ。しかしやはり、あった方が良いですね」
このヒートポンプ機は、電気で湯を沸かす際に、エアコンや冷蔵庫と同じ仕組みで熱を移動させるものだということでした。
「それと、オール電化になっているのにガスメーターが設置されたままになっているのは、外して頂いてもいいでしょう」
次に建物の中へ入ります。私達はスリッパに履き替えますが、田中さんは靴下のまま上がります。何か違和感のある音や感触などがあれば、その方が分かるということです。
2階に上がるとリビングを兼ねたキッチン、3階は個室になっています。まず2階のリビングキッチンで、田中さんは資料を広げました。どのような手順で行うか簡単に説明し、雨戸と窓を開けます。締め切ってあったため中は蒸し暑く、その上なかなか雨戸が開きません。汗をかきながら全員で格闘し、ようやく雨戸が開きました。
3階の洋室へ行きましょう。ここはフローリングに見える、ビニール系のシートで仕上げていますね。田中さんは部屋全体の床を足で踏み、水平器を四方八方に置いて、部屋の傾きを計測します。部屋の一部が、部分的に一方に傾いている様子。しかしまだここで結論は出さず、チェックだけするようです。
縦に長い収納扉が3枚連続で設置されていますが、そのうちの1枚は不安定で、少々がたついているのを、両方の洋室で確認しました。
「悪いところは悪いと言った方がいいんです」と田中さん。
それもそうですね。直してもらえるものは、入居前にしっかり直してもらいましょう。中古住宅ですが、今回は不動産会社が売主なので、交渉次第では補修してもらうことが可能です。
さて、エアコンの配管を取り付けることになる穴「スリーブ」を覗きます。ここで、断熱材が入っているかどうかを確認することができます。田中さんが取り出したのは懐中電灯。出る光が通常のものより白いため、思わず私が質問。
「ひょっとして、LEDライトじゃないですか」
「そう。通常のものより明るいんですよ」
実際、LEDライトは電球よりも発光効率が良いようです。白熱電球に比べても、電池が長持ちするということも聞きます。
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